2020/05/01
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国民を守るための「真水100兆円」令和2年度第2次補正予算編成に向けた提言

令和2年4月30日

議員連盟 日本の未来を考える勉強会
会長・衆議院議員  安藤 裕

 経験したことのない危機の中、最前線で闘っている医療従事者の皆様、生活インフラの維持に努めて頂いている皆様、そして、自粛要請等に積極的にご協力いただいている全ての国民の皆様に、まずは心から敬意と感謝を表する。
令和2年度補正予算が成立し、様々な国の支援策が実施される。しかし、今回の武漢発のコロナウイルスにより、国民の生活困窮、相次ぐ倒産・廃業等、日本経済の混乱は続いている。今や日本経済は、平成20年のリーマンショックどころか、昭和5年の大恐慌並みの経済危機の到来も予想されている。
こうした中、先の予算委員会で安倍総理及び麻生財務大臣が、昭和の大恐慌を救った高橋是清蔵相の積極的な財政金融政策に言及し、また、岸田政調会長は融資と給付金のハイブリッド型のスキームを提唱した。こうした前向きかつ積極的な姿勢を歓迎するものである。
さらに、日本銀行は、先の金融政策決定会合で、低い金利で潤沢な資金を供給するために、当面は上限を設けず国債を必要なだけ積極的に買い入れることを決定した。
いわゆる「真水」を入れる準備は整った。あとは政府の「覚悟」のみである。
いまこそ政府は、前例にとらわれず、「迅速かつ大胆で、きめ細やかな」財政出動を実行すべきである。
そして「すべての国民の生活を全力で守り抜く。廃業や倒産はさせない。国民一致団結して、この国難を乗り越えようではないか。」という力強いメッセージを発するべきである。そのためにも、私たちはここに、さらなる緊急経済対策として、国民誰一人も取り残さない「真水100兆円」・令和2年度第2次補正予算を直ちに編成することを提言する。

1. 提言の目標

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を全力で防ぐと共に、コロナショック以前の国民生活、雇用、経済力、及び生産能力を維持すること。

2. 補正予算の規模

補正予算の規模は機動的な財政出動を実現するため「真水で100兆円」の枠を設定し、財源は全額国債を充てること。

3. 提 言

(1) 「持続化給付金」の大幅拡充 【50兆円】
事業者が新型コロナウイルス感染症の影響で被った損失を回復させ、従前の経営を持続できるようにするため、新設された「持続化給付金」の給付要件の緩和、給付額の増額、複数回の給付を行い、固定費を含む事業費全般を支援すること。なお、全国・全業種の事業者を対象とすると共に、新規開業者に対しても特段の配慮を行うこと。

(2) 中小企業に対する政府保証による資本注入 【10兆円】
地域経済の要である中小企業の経営体力を維持するため、既存ファンドや永久劣後債を活用し、政府保証による資本注入を行うこと。

(3) 国民の命を守る砦である医療・介護の現場への支援 【5兆円】
国民の命を守る砦である医療や介護の現場が崩壊しないよう、危険手当等大幅な処遇改善、必要物資の確保、医師が必要とする抗体検査やPCR検査体制の強化、ワクチンや薬剤研究推進のための財政措置を講ずること。
加えて、地方公共団体が、PCR検査センターの拡充、軽症者等の宿泊施設借上げ等を積極的に実施できるようにするため、感染症予防事業費等負担金及び感染症緊急包括支援交付金等国の感染症対策費を拡充し、地方公共団体に追加交付すること。

(4) 地方公共団体への臨時交付金等の大型追加交付 【5兆円】
感染症対策で重要な役割を担う全国の地方公共団体が、地域性を鑑みつつ福祉や貧困対策、地域経済の活性化等、多様な国民ニーズに柔軟且つ積極的に対応できるよう、幅広い使途が可能な地方創生臨時交付金を追加交付すること。

(5) 「特別定額給付金」の複数回追加給付 【26兆円】
今回の危機の影響により、様々な支援策の網の目を通り抜けてしまう生活困窮者が多く発生している。困窮の原因は多様であり、特定の課題に的を絞った給付金では救いきれないことから、迅速且つ広く現金を行き渡すことのできる「特別定額給付金」を複数回追加給付すること。

(6) 「高等教育就学支援制度」の拡充 【1兆円】
今回の危機は、大学生、短大生、高等専門学校生、専門学校生にも多大な影響を与えている。経済活動の自粛に伴い、保護者の失業や収入の減少、自らのアルバイトも休業となり、経済的に追い詰められ、退学を考える学生も少なくない。由々しき事態である。困難な中でも、夢や希望を持って学生生活を送ることができるよう「高等教育就学支援制度」を拡充し、1人でも多くの学生が、学費の減免、給付型奨学金等を受けられるようにすること。

(7) 公務員の積極的採用
コロナショックにより、新卒内定者の取消しや雇い止めが相次いでいる。新型コロナウイルス感染症による雇用情勢の悪化を踏まえ、第2の就職氷河期を発生させないためにも、国や地方公共団体は、若者等を積極的に公務員として採用し雇用改善に努めること。また、国は地方公共団体に対し必要な財政措置を講ずること。

*なお、アフターコロナを見据え、経済のV字回復を達成するため、「消費税0%」による国を挙げた消費喚起の実現についても、タブー視せずに積極的に検討すること。また、経済が一定水準に回復するまでは、増税しないこと。経済の回復後、その時の経済状況や社会状況を鑑みて、財政の重要な役割である所得の再分配機能を果たすために税制(消費税のあり方、法人税のあり方、所得税の累進課税のあり方等)を見直すこと。

粗利補償のイメージ図

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